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紀元前9世紀、海洋民族のフェニキア人が築いた幻の都市カルタゴ。地中海貿易を独占して領土を拡大したが、勢力を増すローマとの戦いに敗れ、紀元前1世紀ごろ街は全滅。ローマの植民都市として復興した。2世紀にアントニヌス帝が作った巨大浴場のほか、現在のカルタゴに残る多くの遺跡はローマ時代のものだが、古代カルタゴの中心だったとされる「ビュルサの丘」の南斜面にポエニ(古代カルタゴ)時代の住居跡が残るほか、古代神を祀る聖域であったトフェなど、ローマ以前の面影が感じられる貴重な場所も残る。栄華を誇った古代の人々のドラマに思いを馳せてみたい。
ローマ帝国の支配を受けていた3世紀、ゴルディアヌス3世がオリーブオイル交易による富で建造した、周囲427m、収容能力約3万5000人の巨大な円形闘技場。約5万人を収容できる本国ローマのコロッセオより小さいとはいえ、保存状態はそれを上回るとされ、世界遺産に登録された第一級の遺跡だ。かつて古代都市シドラスとして栄えたこの街は砂漠化が進み、現在ではこの巨大な建造物のみが目立っているという状態だが、大迫力の闘技場の観客席に立って見れば、かつて猛獣と剣闘士、奴隷同士が残忍な格闘を行い、観客たちが熱狂した時代の喧騒が感じられるようだ。
チュニジアの、いやアフリカのローマ遺跡の中でも規模、保存状態ともに最高クラスとされる遺跡のひとつがドゥッガ遺跡。標高600mの丘の上に建設された広大な都市遺跡で、劇場、神殿、浴場、下水システムまで、紀元2〜4世紀に繁栄を極め、1万人以上もの人々が住んだとされるローマ都市の面影が生々しく残る。実はこの地は100年ほど前まで土で覆われ、19世紀に考古学者たちが発掘を始めるまで、民家が立ち並んでいたという。劇場、キャピトル(神殿)のほか、「街全体」が保存されていると感じられるほど広大な遺跡の数々は、足早に回っても2、3時間はかかるほど見応え抜群。
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市街地 中世イスラム都市の旧市街
歴史・遺跡 世界遺産の遺跡群が目の前に
料理 どれもオススメの逸品揃い
ショッピング 素敵なお土産が見つかるはず
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